イベントの集客で悩んでいる方必見!効果的な集客方法や事前準備を解説
イベントに多くの人を集めるためには、事前準備や費用対効果の高い方法を選択することが求められます。集客数も大きく変動します。企画まで計画してきたのにも関わらず、本番当日に人が集まらない事態は避けなくてはなりません。
本記事では、イベントの事前準備や集客方法、イベント集客の成功事例について紹介します。
▶記事監修者:足尾暖氏
株式会社ZERO Animation 代表取締役
イベントプロデューサー
ゲームプロダクション、大手デジタル広告代理店での経験を経て2023年、株式会社ZERO Animationを起業。
ライブ、法人イベント、展示会など幅広いイベントを手掛け、年間30件以上の企画、集客、運営、分析を担当している。
イベントの集客方法に悩む企業や自治体は多い
企業や自治体が開催するイベントでは、いかに多くの参加者を集められるかという集客方法が重要です。一方で具体的な施策やノウハウがないために、課題を抱える自治体や企業も少なくありません。
また、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけに、非対面型のオンラインイベントの需要が高まり、従来とは異なる集客方法が求められるようになりました。
イベントの集客方法では、宣伝広告や運営スタッフの確保、関係各所との調整といった事前準備から、集客数を伸ばすための施策を戦略的に設計する必要があります。例えば、町おこしのために開催される観光イベントでは、地域性を生かした企画を盛り込んだり、近隣地域と広範囲のエリアに適した告知を組み合わせたりするなどの方法が挙げられます。
イベント集客において企業が抱える課題
イベント集客において、企業や自治体が抱える主な課題は効果的な集客方法がわからないことです。集客につながるイベントのアイデアが浮かばなかったり、適切な方法なのか判断ができないなど複合的な要因が考えられます。
イベントの集客で企業がどのような悩みを抱えているのかを詳しく解説します。
人が集まるような企画のアイデアが浮かばない
まず課題として多いものに、「人が集まるような企画のアイデアが浮かばない」ことが挙げられます。具体的には、企画を担当する人員が少なく、ありきたりな企画しか思いつかない時に社内に相談できる相手がいないなどのケースが考えられます。
企画のアイデアが浮かばない場合には、「ブレインストーミング」などの手法を活用するのが良いでしょう。紙や付箋などに思いついたものを書き連ねて、新しいアイデアを着想させる方法です。同僚や知人からアドバイスをもらったり、周囲の意見を自身の案に組み合わせたりすることで精度を高めることもできるでしょう。
集客数を伸ばすために適切な方法がわからない
企業ごとに適した集客方法がわからず参加者を集められないという課題もあります。
考えられる要因として、事前準備の段階で計画や目的が明確でなく、想定するターゲット層に趣旨や参加によって得られるメリットが伝わっていないことが挙げられます。
集客数を伸ばすためには、まず事前準備の段階でターゲット層やニーズを洗い出し、開催する目的を明確してからイベントの企画・立案をおこなうことが重要です。
イベント集客の事前準備5ステップ
イベントに数多くの参加者を呼ぶためには、企画立案の段階で事前準備が必要となります。ここでは、イベント集客において効果的な事前準備を5つのステップに分けて紹介します。
● イベントの目的や顧客のターゲットを決める
● イベントでしか得られないメリットを提示する
● 集客効果のある会場や日時を検討する
● 開催目的とターゲットに向けたイベントの内容を考案する
● トータルでかかる費用を計算しておく
イベントの目的や顧客のターゲットを決める
まずは、イベントの軸となる開催の目的やターゲットを決めていきます。目的が明確でないと、ターゲットも不明瞭なものになってしまいやすく、集客も進めにくくなってしまいます。
ターゲットを絞り込みやすくするイベントの目的の例には、以下のようなものが挙げられます。
● 新規顧客を獲得したい
● サービスや店舗の認知度を高める
● 自社商品やサービスに対する愛着心を高める
イベントの目的や目標が決定すると、方向性や集客をするターゲット像が明確になります。
イベントでしか得られないメリットを提示する
イベントの集客を成功させるには、参加者にとっての明確なメリットを提示することが重要です。イベントに参加する意義や得られるものが明確でなければ、集客は成功しません。
効果的な集客のためには、イベントならではの価値を具体的に伝える必要があります。
具体的な例は以下の通りです。
● 知りたい情報が取得できる
● 他では体験できない珍しい体験ができる
● 子供や家族と一緒に楽しめる
● お試しサンプル品がもらえる など
イベント担当者の皆様は、参加者目線でメリットを考え、それをわかりやすく伝えることで、潜在的な参加者の関心を高め、集客につなげることができます。
集客効果のある会場や日時を検討する
イベントの集客を成功させるためには、ターゲットに合わせた日時や場所の選択も重要です。会場選びは集客に直結するため、アクセスの良さや魅力的な雰囲気を考慮しましょう。
全国から参加者を集めたい場合は、交通の便が良い場所を選ぶほか、「ユニークベニュー」と呼ばれる歴史的建造物、文化施設など特別感のある会場も効果的です。また、参加しやすい曜日や時間帯の選択も求められます。企業向けなら平日昼間、一般向けなら土日祝日が適しているでしょう。
これらの要素を慎重に検討することで、イベントの魅力を高め、集客数を伸ばすことができます。ターゲットに寄り添った戦略的な計画が、集客の課題解決への近道となるでしょう。
開催目的とターゲットに向けたイベントの内容を考案する
参加者は「何かを解決したい、知りたい」という思いを持ってイベントに参加するため、そのニーズを満たすことは来場者の満足度向上につながります。
例えば、業界の著名人による知識やノウハウの伝授、限定感のある特別な参加特典の提供など、他のイベントとの差別化を図ることが効果的です。自社製品の一方的な宣伝ではなく、顧客の立場に立った魅力的な内容を提供することで、集客の課題を解決し、イベントの成功につながるでしょう。
ターゲットのニーズに応える内容を慎重に検討し、企画することが集客の鍵となります。
トータルでかかる費用を計算しておく
イベントを成功させるためには、適切な予算管理も不可欠です。これにはイベント開催にかかる費用を正確に把握し、効果的な予算配分を行うことが求められます。
主な費用項目は以下の通りです。
● 会場費
● 施工費(会場設営費)
● 人件費
● 広告宣伝費
● 企画費
● ノベルティ製作費
● 機材費 など
これらは固定費と変動費に分類され、イベントの規模や内容によって金額が変動します。集客にあたっては、イベントの予算から新聞、フリーペーパー、Web広告などの宣伝広告費を捻出する必要があります。
適切な予算管理は、イベントの成功と費用対効果の最大化につながります。綿密な計画と正確な費用把握により、効果的なイベント運営が可能となり、集客の課題解決にもつながるでしょう。
イベントの集客数を伸ばすアイデア
イベントの集客方法には、チラシやパンフレットといった施策以外にも、SNSやWeb広告、ポータルサイトの掲載といったインターネットを活用した宣伝広告もあります。
一方で、インターネットを活用した集客方法はターゲット層の選定が難しく、思うような集客につながらないケースも少なくありません。そのため、ターゲットとする顧客に適した集客方法を組み合わせる必要があります。
具体的な集客方法は以下の5つが挙げられます。
● SNSや企業HPでターゲットに合わせた集客をおこなう
● Web広告で潜在層に向けた告知をおこなう
● フリーペーパーやテレアポでターゲット層へ宣伝する
● ポータルサイトで顕在層に認知してもらう
● LINE公式アカウントやメルマガ発信でお知らせする
SNSや企業HPでターゲットに合わせた集客をおこなう
SNSでの集客は、費用をかけずに、幅広い人に情報発信できるのが特徴です。また、情報が拡散されることで、興味がない人をはじめ、企業を知らない潜在層にまで情報が行き届きやすいメリットもあります。
しかし、各種SNSはメインユーザーの特徴が異なるため、ターゲットによって使い分ける必要があります。
● Instagram:美容やファッション系のイベント、リール投稿(ショート動画)でフォロワー以外への認知
● TikTok:10〜20代向けのイベント
● X(旧Twitter):フォロワー向けにイベントを認知して拡散
● Facebook:30〜50代向けにビジネス系のイベント
さらに、SNSでは投稿の閲覧数やいいねといったアクションを、効果として測定することもできます。また、企業のホームページにはイベント専用の特設サイトを制作し、SNSとの連携によって情報発信しながら参加者の申込を促すこともできるでしょう。
Web広告で潜在層に向けた告知をおこなう
イベントの集客において、Web広告は効果的な手段の一つです。特に潜在層へのアプローチに優れており、ターゲットを絞った効率的な宣伝が可能です。Googleのディスプレイ広告はその代表的な例で、予算管理が容易なうえ、精度の高いターゲティングをもって広範囲な露出が可能になります。
他にも、検索エンジンやSNSなどに表示される広告も活用できますが、それぞれ特性が異なるため、ターゲット層に適した媒体を選ぶことが重要です。ただし、Web広告の運用には専門知識が必要です。効果を最大化するために、専門家への外注も検討すると良いでしょう。
適切なWeb広告戦略を立てることで、イベントの認知度向上と集客数の増加が期待できます。
TVやラジオ、プレスリリースでターゲット層へ宣伝する
イベントの集客を幅広い層に向けて行う際、TVやラジオ、プレスリリースでアプローチするのが効果的です。大規模なイベントの場合も、これらの方法でターゲット層へアプローチするとよいでしょう。
ただし、TVやラジオでの広告は一般的に高額な費用がかかります。そのため、費用対効果を高めるために、放送時間帯やターゲット層を考慮して、適切な番組や時間帯を選択することが大切です。
プレスリリースは、メディアに向けてイベント情報を発信する方法です。費用は比較的抑えられますが、メディアの注目を集める魅力的な内容が求められます。
また、これらの方法を組み合わせることも効果的です。例えば、プレスリリースを配信した後、関心を示したメディアにTVやラジオ出演のアプローチをする方法も考えられます。ただし、過度な露出は逆効果になる可能性があるため、バランスを考慮しましょう。
ポータルサイトで顕在層に認知してもらう
ポータルサイトとは、イベントやセミナー情報を登録し、告知や集客を行うための情報サイトを指します。掲載できるイベントは、勉強会や講座、イベント、ワークショップ、商品説明会と幅広く対応しています。
ポータルサイトには、無料と有料掲載があり、さまざまなイベントが掲載できます。また、多様なイベントに参加したいユーザーも活用しているため、不特定多数のユーザーの目に触れやすく、認知してもらえる可能性が高まります。
さらに、ポータルサイトはイベント全般からセミナー、フェス、ビジネスといった専門領域やカテゴリーで分類されていることが多いです。そのため、イベント内容に合わせて適切なポータルサイトを選択し、使い分けるのが効果的でしょう。
LINE公式アカウントやメルマガ発信でお知らせする
企業のLINE公式アカウントやメルマガを活用して、イベント情報を告知することも重要な集客方法です。
LINE公式アカウントやメルマガの配信では、登録しているユーザーに対して直接情報発信できるため、既に関係性がある顧客に効果的に訴求できます。特に、LINE公式アカウントでは、ダイレクトメッセージで個別にお知らせすることも可能です。
さらに、これらのツールを活用する際の効果的な方法として、イベントの開催までに顧客に対して継続的な情報発信を行うことが挙げられます。こうすることで、顧客のイベント来場意欲を徐々に高めていくことができます。
イベントの集客に向けた準備のポイント
イベントの集客を成功させるには、開催日当日まで多くの参加者の興味を維持し、高めていく準備が重要です。以下では、効果的な集客のための4つの重要なポイントを解説します。
● 対面とオンラインの両方でイベントを開催する
● イベントへ参加するためのハードルを下げる
● 季節のイベントを取り入れる
● 過去におこなったイベントを振り返る
これらのポイントを押さえることで、イベントの形式から参加意欲を高める施策、魅力的な企画まで、幅広い観点からイベントの集客力を向上させることができます。
各ポイントを適切に実践することで、より多くの参加者を惹きつけ、成功するイベントの開催につながるでしょう。
対面とオンラインの両方でイベントを開催する
新型コロナウイルス感染症の感染拡大する中で、オンラインを活用したイベントやセミナーが増加しました。現在、コロナ禍の影響が落ち着いたタイミングで、対面とオンラインのハイブリッドでイベント開催する企業が増えています。
対面とオンラインでは、参加者の属性が違うため対面とオンラインのハイブリット形式でイベントを開催するのがよいでしょう。一方で、大規模な会場の手配やオンライン配信用の機材を調達したりと費用がかかる点を考慮する必要もあります。
イベントへ参加するためのハードルを下げる
イベントへ参加する際に心理的負担となるのが、料金や時間帯、人数といった参加条件です。そのため、イベントへ参加するためのハードルを下げる必要があります。具体的な施策として、以下が考えられます。
● 参加費無料
● 事前予約は不要
● 1人での参加可能
これらの条件を緩和することで、より多くの人がイベントに参加しやすくなります。
ただし、参加条件を下げることには課題もあります。意欲が低いユーザーが来場したり、予算組みが困難になったりと、イベント運営で負担がかかる可能性があります。
事前に十分な予算を確保し、イベント運営に負担がかからない組織づくりをおこないながら準備を整えることで、参加のハードルを下げつつ、効果的なイベント運営が可能となります。
季節のイベントを取り入れる
季節を絡めたイベントは、季節限定というプレミアム感があり、参加者にとって魅力的に捉えられ、集客率が高くなります。たとえば、春ならお花見、秋には紅葉祭りといった季節を感じられるイベントは、老若男女ともに人気が高い企画となります。
しかし、季節のイベントは時期やシーズンが決まっており、当日の天候や状況によっても左右されます。そのため、イベント運営では過去データを参照しながら計画を立てることが必要となります。
過去におこなったイベントを振り返る
イベントを準備するにあたって、過去に開催したイベントを参考に設計することも大切です。これまでに集計してきたアンケートや参加者の意見はイベントの集客に役立てられます。
たとえば、過去のイベントで集客率が高い媒体の広告費を増額したり、満足度が高いユーザーに対して再訪を呼びかけるなど、イベントを振り返ることで集客につなげられます。
イベント集客の成功事例
日本各地の自治体や企業が主催するイベントには、集客に成功した事例が数多く存在します。これらの成功事例を学ぶことで、自身のイベント集客戦略に活かせる貴重な知見が得られます。
特に、地域一体となった取り組みや、他の地域での成功例は、新たなアイデアの源泉となり得ます。また、似たような集客の課題を抱えていた企業がどのように問題を解決したかを知ることで、自社のイベント運営をより効率的に進められる可能性があります。
以下では、イベントの集客で顕著な成功を収めた3つの企業事例を紹介します。これらの事例から、効果的な集客戦略のヒントを得ることができるでしょう。
希少性が話題になった「Premel Cake」をポップアップで販売
福岡県にある、スイーツを卸販売や通販で販売しているプレメル株式会社は、2023年に銀座でポップアップストアを出店しました。これまでに自社商品の「Premel Cake」はネット販売のみで、到着までに1ヶ月かかっていました。そのため、期間限定で店舗購入できる点が希少性となって話題となりました。
また、ポップアップストアでは、来場者特典としてLINE公式アカウントの登録者に対して試食できる特典を付けました。他にも、先着100名限定でプレゼントを用意するなど、これまでPremel Cakeを知らないユーザーに対しても、ポップアップストアに訪れるだけで満足できるイベントを設計し、新規顧客の集客にもつなげました。
親子で体験できる「万博公園 ウィーラースクール」
2019年に大阪万博公園で行われた「CYCLE MODE RIDE OSAKA」では、自転車教室の「ウィーラースクールジャパン」と、自転車レース活動をおこなう「キナンサイクリングチーム」がタッグを組み、「万博公園 ウィーラースクール」を開催しました。
万博公園 ウィーラースクールでは、子ども向けに自転車の乗り方やルールを学べるスクールを開催し、大人向けに電動キックボードの試乗ができるエリアを開設しました。親子で体験できるのはもちろん、子どもと親がそれぞれで楽しめる企画を行うことで、双方に参加するメリットが感じられるイベントとなりました。
自社の売上に繋がったオンラインイベント「よなよなエールの〆宴」
株式会社ヤッホーブルーイングは、よなよなエールなどのクラフトビールを販売している会社です。特にコミュニティ作りやファンミーティングに力を入れており、さまざまなイベントを開催しています。
2020年の年末に開催された大型オンラインイベント「よなよなエールの〆宴」では、イベントへの参加特典として、クラフトビールが1年分当たるキャンペーンが行われました。他にも、SNSで投稿するとクラフトビールがプレゼントされる特典も用意されました。
ヤッホーブルーイングは、2010年からファンイベントを継続的に開催してきた知見を活かし、オンラインイベントでありながらも、自社の醸造所ツアーを組み込むなどハイブリッド形式のイベントを実現しました。
イベントの集客に成功するコツは事前準備と集客方法の見極めが重要
イベントの集客で成功するコツは、イベントの目的やターゲットの決定、開催場所の検討などの事前準備が重要です。
さらに、ターゲットに合わせた集客方法でおこなうことで顕在的な顧客にもアプローチすることができます。そのため、自治体や企業が実施してきた施策を参考にし、企画立案での集客方法の見極めて効率的に集客していきましょう。